「サーカスのクマみたいに
口に拘束具でも
つけようかしら…」
「お歌のおけいこに
行くのに?」
…そうなんだよね。
「やっぱり歯を全部
抜くしかないか」
「2丁目の歯医者さんの
腕がいいらしいわよ」
「おまえ達
何恐ろしいコト
話してるんだ…」
ママと私の
ブラック・ジョークに
パパが震える。
「じっちゃんッ。
年寄りでも食える
ツマミあったぞッ」
空気を読まない娘が
戸棚の中から
柿ぴ〜を見つける。
「パパ、ちゃんと
その子が
危ないコトしないように
見ててよねッ」
パパは慌てて
戸棚の引き出しを
階段にしている娘を
抱きとめた。