「下着つけたまま
入ってるのって変じゃない?」

ジュンニイが笑ってる。

自分はちゃっちゃと
脱ぐモノを脱いで

背中をむけている
私を湯船の中で
抱きしめてきた。


「…強引なんだから」

「ん〜」

「明るいの
恥ずかしいんだけど」

何を今更と言わんばかりに
ジュンニイが苦笑いする。


「あん」

ジュンニイの手が
ブラの肩ヒモにかかった。


「これ、どこで買ったの?」

そんなコト、興味なんて
ないくせに。

私の気をその行為から
そらせようと
ジュンニイは私に
質問攻めをする。

「もお、ジュンニイ…!」

「そのジュンニイっての
そろそろやめない?」

「え?」


「結婚したんだしさ。
お互い下の名前で
呼びあわない?」

「…ジュンイチ…さん?」

「いや、ジュンでいいよ。
俺もヒメのコト
下の名前を呼び捨てに
するからさ」

「絶対に嫌ッ!!」

「え…」


ジュンニイが私の剣幕に
驚いて手が止まった。


「ジュンって呼ぶの、イヤ?」
「そうじゃなくて」

私が下の名前で呼ばれるのが
嫌だった。


「ちいさいとき
名前でからかわれて以来

ずっと自分の名前が
嫌いだったから…」


「そういや、ヒメの
パパもママもヒメのコト
愛称で呼んでるもんな」

「名前変えて欲しいって
困らせたコトがあったから」

「…そうなんだ」


「そんなコトないよ。
かわいい名前じゃんって
言ってくれないんだ…」

「だって嫌いなんだろ?」

「うん!!」

「だったら別に
ヒメの好き嫌いまで
否定するコトはないからさ」

「……」


「…じゃ、オリジナルな
ふたりだけの呼び名とか
考えようか?」

「名前をひねるのとかは
ヤだな」

「じゃ、ハニーとか
スウィーティーとか?」

「…ジュンジュンに
大ウケされちゃうよ」

「僕の小鳥ちゃんとか」

「真面目に言ってるの?」

「う〜ん」


ジュンニイが真面目な顔して
私の下着を
バスタブの外に投げ捨てた。


私のカラダを撫でまわしながら
肩先にキスしたり

「呼び名なんて
考える気ないんでしょ」

「…考えてるよ」


とても考えてるようには
思えない。