ジュンニイの指が
イタズラしてくる。


「…こういうの毎日のように
しててあきない?」

「ヒメはもうあきちゃった?」


私の耳もとにささやきかけた。


「…あきられたらイヤかな」

「誰があきるって?」

「……」


「まだまだヒメと
楽しみたいコト
いっぱいあるんだけどな」

ジュンニイが私の指を
いじってる。


「ヒメがこうやって
腕の中にいるってだけで
何か希望を抱いてるような
気がするんだ」


…ジュンニイは
こういうコトを
さらりと言ってしまうから


「愛してる」


私は次の行為を
ついつい許してしまうんだ。


「…私の中、気持ちいい?」

「え?」

「他のオンナのヒトと
比べて、どう?」

ジュンニイの動きが止まる。


「笑ってないで!!」


私の訴えに笑うのをやめて
ジュンニイは
私の首筋にキスを贈る。


「持ってる道具は
ひとそれぞれ。

そんなモノに優越感持ったり
劣等感もったりするのって
センスないよ」


「でも…」

やっぱり気になった。

満足して貰えてるのかなって。


「愛してるって気持ちがさ
そのヒトのカラダを
最高にしてくれるんだよ」

「……」


「ヒメのコト抱いてると
俺のコトすっごく
愛してくれてるって
実感できるから」


ジュンニイは私を抱きしめた。


「もっともっと
俺のコト好きになって。
もっともっと愛して」

…無理だよ。

だって

「これ以上
好きになれないってくらい
愛してるもん…!」


「嬉しいコト言ってくれるね」


俺、頑張っちゃうって
ちょっとふざけてみせる。


「…ジュンニイ…!」

「ジュンニイはやめようよ」

「でもやっぱりジュンニイは
ジュンニイだもん」

「…まあ、俺のコト
そう呼ぶのってヒメだけだし」


そう呼ばれる度に
優しい気持ちになれてきたし
って。


結局はお互いふさわしい
呼び名を考えつくことなく
子どもの親になってしまった。