私の顔色が曇ると
こうやってご機嫌窺いを
してくるのだけど

「キスくらいで
誤魔化されたりしないもん」

今日の私は
唇をグッと結んで
ジュンニイのキスを阻止した。


「…俺に挑戦状?」

ジュンニイは意味深に笑って

私の目をみつめたまま
自分のベルトを片手で外す。


「ちょっと、ジュンニイ」

予想外の展開に動揺する私を
無視して

ジュンニイは私の手をとって

自分のジーンズの
ジッパーを下げさせた。


「…何するの、かな?」
「ヒメは何して欲しい?」



「本の整理を手伝って
欲しい!」

「……」


…ジュンニイがヘコんでいる。


「体力余ってそうだし〜♪

ね、この雑誌
ゴミ捨て場まで
運んでくれる?」


「……」

ジュンニイはおもむろに
立ち上がったかと思ったら

私ごと雑誌を持ち上げて。


「捨ててくればいいんだな」

勝ち誇った顔をして
お姫さまダッコしたまま
玄関にむかう。


「私まで捨てる気〜!?」
「さ、どうしようかな〜」


ジュンニイは楽しそうだ。


私の足先をつかって
エレベーターのボタンを押す。


「ちょっとご近所のヒトにでも
あったらどうするの!!」


しかも!

エレベーターの中の鏡に
私のパンツが
丸見えで鏡に写っている!!


「今日は白だったんだ♪」
「降ろしてってばッ!」

ジュンニイのほっぺたを
左右に思いっきりひっぱった。


「…降ろしてもいいけど
床濡れてるよ」

「降ろさなくていい!!」


私はジュンニイの顔を
抱きかかえて

私はジュンニイの肩に
顔を埋める。


「…ヒメ?」