「いやああああああ」


思わず私は
足をジュンニイにむかって
チカラいっぱいふり落して

抵抗した。


私の両足に絡みついたままの
パジャマが
ジュンニイの首を
直撃して

ジュンニイが苦悶する。


「…信じられない」

「信じられないのは
こっちよ!!」


ジュンニイのカラダの上から
飛び起きて
パジャマを着る。


ジュンニイは私の
パジャマの裾をひっぱって

「こら、まだ終わってないぞ」


私のカラダを引き寄せる。


「だめ!
もうお弁当つくる時間が
なくなっちゃうから!」

「お弁当より
こっち食べたい」


カチン、ときた。


毎日、毎日早起きして
ジュンニイの為に
つくっているお弁当。


愛情こめて
手抜きせず

ジュンニイが喜んで
くれてるんだって

信じて疑わなかったのに。


何だか泣きたくなってきた。


「…もうお弁当なんか
つくるのやめる。

外でキレイなヒトと
おいしいランチ
食べてくるといいよ」


「…ヒメ」

ジュンニイが私の手を
探ってくる。


「お弁当、毎日
楽しみなんだけどな」

「……」


たかがお弁当くらいで

何だか自分でも
子どもじみてるって
思ったけど。


それでも

やっぱり愛情より
肉欲なのかなって
考えたら

哀しくなってきて。


「ヒメ〜」

「……」

「ヒメってば〜」


ジュンニイが私の
頑なな態度に
業を煮やして

私の手を引っ張って


自分の胸の中に
私を納める。