エントランスの
チャイムじゃなくて
直接玄関ドアの
チャイムを押してる。
スコープからそっと
玄関の外を覗くと
そこには
いかついオトコのヒトが
3人もいて。
窓の外を
カーテン越しに窺うと
こっちをみている
数人のオトコ達。
「…警察だ」
間違いなかった。
「アネキのヤツ…」
長電話は警察の指示で
逆探知してたからだって
すぐに察しはついた。
お姉さんは
少年Aが思ってた以上に
オトナで
いかに冷静で
少年Aのこの先を
思い量っていたか。
こんなコトで
投げやりになって
もしもの事態に
なるくらいならって
お姉さんも
苦しんだに
違いなかったのだけど。
せっかく
出頭する気でいたのに
こんなのあまりにも
勇み足だよ。
「待って。
私玄関に出て
うまく誤魔化してみる」
そうだよ。
地域が特定されたからって
警察だって
この部屋に犯人がいるって
確信してるワケじゃ
ないかもしれない。
「ただの聞き込み捜査かも
しれないし」
なんて
甘いコトを考えていたのは
私だけで
ドアを開けて
警察官に対応しようとした
その瞬間
少年Aは
私を突き飛ばすようにして
玄関を飛び出た。
うそおおおお!!!!!
あっという間に
少年Aは
取り押さえられて
連れていかれた。