そのスナックで
歳を18と偽って働いていた
アルバイト少年を
重要参考人として
行方を追っていると
ただそれだけの
短いニュースだった。
だけど。
この報道が
少年Aの罪に対する
楽観性を砕いたコトは
明白で。
今、ココにいるのは
まぎれもなく殺人犯で
私は監禁されている少女。
この関係性をはっきりと
決定づけるモノだった。
「…殺すつもりが
なかったんなら
自主とかしちゃった方が
罪も軽くなるんじゃないの?」
何とか現実的な
解決方法はないかと
必死で探りを入れてみる。
なのに
「重要参考人として
手配されてしまったら
自主じゃなくて
出頭って言うんだよ」
なんて。
水商売風な見た目とは違って
知的な一面を
覗かせたりして。
「…あと3日。
あと3日だけはどうしても
捕まるワケにはいかないんだ」
少年Aはそう呟いて
テレビを消した。
「あと3日って…」
「3日経ったらおまえも
解放してやる。
だからそれまで
おとなしくしていてくれ。
変なマネさえしなければ
危害は与えないって、誓う」
「どうして3日なの?」
「……」
外国に高跳びでもする手配でも
待っているのだろうか。
スナックで働いてたとか
報道されてたけれど
やっぱり夜の商売だから
マフィアとか
そ〜ゆ〜知り合いも
たくさんいて…。
なまじ情報がないと
必要以上に想像力が働いた。
「…おい、おまえ」
「な、何でしょうかッ!!」
少年Aに
私は敬語で答えてる。
「飯、作れるか?」
「カレーならすぐに
用意できますデスッ!!!」
必要以上に力が入る。