とろける夜の☆甘い記憶☆

小学生のとき
毎晩のように見ていた夢。

大好きなコウに
キスされる夢。


凄くリアルで。

朝、目覚めても
隣りで眠っている
幼なじみのコウの唇の感触が
蘇ってくるくらい

本当にリアルで。



「私、コウのコト
好きなのかな…」


そんな思いが
アタマを支配し始めた頃には


「もう中学生にも
なるんだから」

って
同じ部屋にマクラを並べて
皆で寝るコトは
なくなったのだけど。


私がコウをオトコとして
意識し始めてしまって

そのカンケイに
距離をつくってしまったのも
事実で。


お母さん同士が
学生時代からの大親友で

赤ちゃんの頃から
いつもいっしょで。

お風呂だって
かなりおおきくなるまで
いっしょに入ってた。


隣りにいつもいる。


それが当たり前で
自然で

もう家族みたいな
モノだったから


自分がコウに対して
そんな感情を
抱いてしまうコトに
戸惑いを感じた。


コウのコトなら
何でも知ってる。

カラダの傷だって
ホクロの位置だって

何だって知ってた。

いっしょにお風呂には
入らなくなったけど


高飛び込みの選手のコウの
水着姿を
毎日のように見てるから

その無駄のない筋肉のつき方や
しなやかなカラダの動きを

いっつもチェックしてる。


切れ長の
ヒトを拒むような
鋭い眼差しをむけるコウは

オンナを寄せ付けない
雰囲気を持った
特別なオトコノコで。


試合会場に応援にいくと
皆が遠巻きにしながら
熱い視線を送っているのを
よくみかけた。


「彼女とかつくれば〜?」


私がコウを冷やかすと

「時間が勿体ない」

って
あっさりクールに却下されて。


高飛び込みに
夢中のコウだった。