「高飛び込みで
いつもハイレグ水着
着てるから平気よね」
って
コウのお母さんは
どんどん仕事をとってくる。
高飛び込みの水着を
着てても
恥ずかしいと思ったコトは
なかったけれど
見るヒトの目的が変われば
同じ水着だって
やっぱり恥ずかしさも倍増で。
「恥じらった表情が
初々しくっていいッ!!!」
なんて現場のオトナ達は悠長で。
世の中のオトコ達の
夜な夜なオカズに
されてるかと思ったら
生きてはいけないので
深く考えないようにはしてた。
してたのだけど。
「こんな挑発的なポーズ
おまえよく
平気で出来るよな」
って
コウに真顔で言われたときは
凄いショックだった。
「かわいいって
どうして素直に言って
あげれないのッ!?」
コウのお母さんは激怒りで。
嫌がらせのように
私のポスターやら
切り抜きやらを
コウの部屋中に貼りまわして。
「素直に応援するまで
罰として貼ってなさいッ」
なんて。
水着姿のたくさんの私に
囲まれて
「おまえの悪夢を
毎晩うなされてるよ…」
なんて
相変わらずの毒舌なコウで。
「そんなコト言ってて
私の悩殺ポーズに
毎晩ヤラれてんじゃないの〜」
悔しくて
傷つけたくなる。
「……」
「ほら、図星だ〜!!」
私にからかわれて
ムキになるどころか
「だったらどうする?」
なんて
マジな顔で返してきたから
「え、いや。あの…?」
イッキにこっちの
形勢が不利になる。