お母さんに
悟られてしまうくらい

私はそれを
露骨に顔にだして
しまっていて


「そう。それは困ったわね」

なんて
眉を潜め出したモノだから


「いえッ、別にそういう
ワケではッ」

なんて

思わずフォローしてしまう。


「じゃ、何の問題も
ないワケなのね!?」


お母さんの顔が
嬉々として


…はっきりいって


ひいた。


「母さん。
いい加減にしとけよな」

いつのまにか
帰宅していたコウが
カバンをもって
突っ立ってて。


私と目が合った瞬間
視線を外して

さっさと自分の部屋に
入ってしまった。


「…聞かれてた、かな」
「そうね」

「……」
「……」


コウの機嫌がいつにも
増して悪かったコトに

さすがのお母さんも
気づいたみたいで。


クールなトコは
あるけれど

自分の部屋に
ひきこもるなんて
珍しいコトで。


いつもたくさんの
ヒトの中にいて

コウは静かでも
コウの周りはいつだって
賑やかだった。