そんなフカザワ先輩が
突然、サッカー部だけでなく
学校を退学してしまったときは
もう
目の前が真っ暗になった。
誰に聞いても
理由もわからず
ある日突然
退学届を学校に
出しに来たのを最後に
全てのヒトの前から
姿を消して。
現在、行方もわからずにいる。
まさに
私達フカザワ先輩の
追っかけにとって
それは晴天の霹靂で。
これ以上ないくらい
打ちひしがれた。
何をする気も起きない。
学校へ行くのさえ
面倒くさい。
なのに。
「文化祭の買い出し
つきあえ」
なんて
ケータは相変わらず
ずうずうしくて。
「どうしてサッカー部の
出し物の為に
私が駆り出されなきゃ
ならないワケ?」
「だってこの企画
フカザワ先輩の、だもん。
おまえだって
失敗させたくは
ないだろ〜が」
「う」
痛いトコロを突いてくる。
日頃、応援してくれてる
オンナノコ達の為に
文化祭の機会に
ファンサービスをって
義理がたい
フカザワ先輩らしい
発案なんだけど。
フカザワ先輩がいない
サッカー部の野郎に
ファンサービスされてもって
思ってるのは
私だけじゃないと思う。
「野郎ばっかしだと
何がオンナノコにも
受けるのかわかんね〜し」
「だからって
何でアナタとふたりっきりで
買い出しにこなきゃ
いけないのよ!!
他の部員はどうしたのッ!」
「皆、練習休みのときくらい
家でゆっくりしたいからさ」
「部員が休んでて
関係ない私が
駆り出されてるのって
変じゃない!?
だいたい追っかけしてたコ
他にもたくさんいたんだし
何で私なんかが…!」
「フカザワ先輩の指名」
「え」
「あのコ、持ってるモノとか
いつもセンスいいからって」
ええええええ!????