3人が非常識なのか
私のアタマがおかしいのか
アタマがクラクラした。
妊婦さんのお腹をみて
ああもう
逃げられないって観念する。
「こっち、ずえったい
見ないでね!!!!!」
なんて。
人生でこんな恥ずかしい
思いをしたのは初めてだ。
憧れのフカザワ先輩の前で
制服を脱ぐ。
考えただけで
鼻血もんだ。
できれば
こんなシチュエーション
なんかじゃなく
お気に入りの
下着をつけて…!
…なんて
空しい。
「私、ひろちゃんの
学校の制服
着てみたかったの!」
なんて
天使は無邪気に
喜んでいる。
「…お腹のおおきな
女学生なんて
かえって目立つんじゃない?」
チクリと意地悪を言ってみた。
「荷物で隠せばわからないよ」
ケータは満足そうにして。
「じゃ、俺達
時間稼ぎしてきますから
10分したらここを出て
この電車に向ってください」
ケータは
新幹線のホームまでの
行き方を書いた
地図を先輩に渡した。
「あの…」
不安そうな目をした天使が
私の袖を掴んでる。
「大丈夫だから」
私は自分の手に握っていた
ハンカチで
天使の額の汗をぬぐった。
「それ、あげる。
お気に入りだから、あげる」
天使の目から
みるみるうちに
涙が溢れてきて
思わずふたりで
抱き合って泣いてしまった。