「……」

ケータの指が
私の唇に触れて

何度も何度も
そこを往復して


「おおきな声出すなよ」


って。


ケータは自分の唇で
私の唇を塞いだ。


「!!!!!!!!!!」


「ずっとおまえのコトが
好きだった」


どえええええええええッ!?


「おまえの借金を
少しずつしか返さなかったのも

おまえとの関わりを
無くしたくなかったから」


口は悪いけど
動物病院できびきびと
ヒトの良さを発揮していた
その姿に惚れたって。


こんなトコロで
この状況で

そんな告白なんて
普通するかあああ!????


ショックでアタマが
真っ白になっている私の腰を
ケータはさらに
抱きよせる。


「ちょっ、ちょっと待って。
私そんなつもりは…!」


「今更…!」


もう止まらないって。


ケータはまた
私の唇を奪う。


ドアに押し付けられる
ようにして

私は逃げ場を奪われていた。


ケータにこんな
激しい一面があったなんて

すごく意外で


何度もキスを
受けているうちに

何かもう
1回も百回もいっしょかな。


なんて

私のアタマは完全に
イカれてしまっていた。


ただのクラスメイト。

私のコトを
ケロ、ケロって
いっつもからかっていて。


私に補欠くん
呼ばわりされてて。


ドンドンドン!

激しくトイレを殴る音が
直接カラダに響いて

我にかえった。


「車掌です。
長く入ってらっしゃいますが
大丈夫ですか?

ご気分でも悪いのでは?」


「!!!」