相手の気持ちに立つって
凄く大切なやさしさだと
思うって
サトルはちょっと笑った。
でも
「…根掘り葉掘り
相手のコトを知りたがって。
皆、ヒトの不幸を
テレビドラマかなんか
見てるみたいに
自分の好奇心を
満たす為に皆
近づいてきてさ」
サトルの気楽さに
私の口からつい本音が
飛び出してしまう。
「おまえ、なあ」
サトルがのん気に
また苦笑する。
「ヒトから興味を
持って貰えるなんて
凄いコトなんだぜ」
「俺なんかさ」
ゴーストなんかしてるけど
いつだって
自分はここにいるんだって
ココロの中で叫んでるのに
「誰も俺の名前の付いた
曲には
興味すら持ってくれない」
好奇心いっぱいで
傍に寄ってきてくれる
クラスメイト
「凄い羨ましいけどな」
「…サトルは
何にも知らないから」
「みゅ〜は
どれだけ知ってるの?」
サトルの目が
マジになった。
「ここの土地のヒトは皆
あけっぴろげで
俺みたいな旅行者にも
親切でさ」
腹を割って何でも
ずけずけと思ったコトを
口にするから
戸惑うコトもあったかと
思うけど
悪口を広めようとか
傷口を広げようとか
そういう気持ちで
接してきてはいない。
純真で。
「皆子どもみたいな
裏表のない
いいヒト達だよ」
って。
私の顔を覗き込んだ。