「マキシマム
フルデビルエアロに
ワンオフメッキの
ホイールかあ」
私に追いついてきた
シンスケが
物珍しそうに
テツオさんのスクーターを
覗き込んでいて。
「あんッ!
そんなにお尻ばかり
見つめないで〜。
イケない子ねッ」
「……」
「……」
テツオさんの
オトメな下ネタが
朝も早くから
生真面目なシンスケ相手に
炸裂しています。
「…トーコの知り合い?」
「……」
出来るコトなら
通りすがりの人間に
生まれ変わりたいですッ。
「部活の友達って言うから
てっきりオンナノコと
いっしょなのかと
思ってたのに〜」
テツオさんが
シンスケの立派なカラダを
上から下まで
舐めるようにして
見ています。
「セイくんは
知っているの?」
イタズラな笑みを
湛えながら
テツオさんが
シンスケを指さしていて。
“セイ”
ハートを刺激する
その魅惑のキーワードに
「セイのコト
知ってるんですか!?」
シンスケの目が輝いた。
これ以上ッ
シンスケの中に
余計な情報を
インプットするワケには
いきません!
「と、言うワケでッ!
私達、朝練の途中なので
これにて失礼しますッ」
私はシンスケの腕を
引っ張って
公園横の坂道を
全速力で下っていった。
「ちょっと!
トーコちゃんッ
ここまできたんだから〜」