シンスケから向けられている
不信感いっぱいの
その視線ッ。
「いや。あのッ、そのッ」
「……」
「……」
…こんなトコロで
シンスケに
詰問されるくらいなら
「いっそのコトッ」
シンスケではなく
テツオさんを連れて
この場を立ち去った方が
まだマシかッ。
「シンスケッ、ごめんッ!」
私はシンスケを
歩道橋の上に残して
テツオさんのいる
階段の下へ駆け降りた。
「学校があるから
20分だけですよッ」
テツオさんのスクーターに
飛び乗ろうとして
「おいッ、待てよ!」
私を追い掛けてきた
シンスケに
ジャージの襟元を
掴まれるッ!
その乱暴な行為に
「きゃああああッ」
テツオさんの
ハスキーヴォイスが
都心のビル街に轟いた。
「ごめんッ、シンスケッ
急いでるからッ」
「とにかく
事情を説明しろよッ!」
「乱暴はダメよッ
乱暴はッ!!!!」
シンスケの剣幕に
テツオさんのテンションが
上がり捲る!
「ちょっと、そこのキミ達。
何を騒いでいるのかな」
「!」
知らない声に振り向くと
どこから現れたのか
オトコがひとり
またひとり
あっという間に
その数が十人を超え
気がつくと
私達は怪しい集団に
取り囲まれていた。
月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ
レクイエム#003
≪〜完〜≫
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