「キミ、このオトコに
何をされてたの?」

「えッ」

「乱暴されて
怪我とかしなかった?」

「……」

オトコ達の目と質問が
私に向けられる。


「何もされてませんッ」

「だけど…」

「仲のいい友達ですからッ」

私は必死で
自分を保とうとした。


「…ホントですッッ」

「ふ〜ん」

私の答えに納得がいかないと
言わんばかりに

オトコ達が黒い扇を

パチン!
パチン!
パチン!

扇を閉じる音で
静かにブーイングする。


何ですかッ。

この団体はッ。


「もしかして
アンタ達が
ウワサのワンオー?」

ここまでずっと
黙って様子を見ていた
テツオさんが口を開いた。


「…ワンオー?」


「ワンハンドレッド
ワンサウザンド。

この街のガーディアンよ」


「ワン、サンザン?
カーディガン????」

「100と1000って
意味だ!

カーディガンじゃなく
ガーディアン!

自警団のコト!

自警団って言うのはだなッ
街の風紀を取り締まる
自主防犯組織!」


「ジシュボーハン?」

「ボランティアによる
私設警察!」


…シンスケが
日本育ちの私に
日本語を翻訳し

 
「ごめんなさいッ
この子ッ
赤点の常連でッ」

テツオさんが
オトコ達に
言い訳しているッ。