「へ〜え!
ワンオーも地元以外の
女子高生に
知られてるなんて
たいしたモノだ」
私の緊張をよそに
運転手さんが笑ってるけど
あの妙な圧力団体と
一緒だったなんて
そっちの方が
何だかな、って
思うんですけれどッ。
「あれ?
あのジャージ。
今話してた
落ち武者の子じゃ
ないのかな…」
運転手さんの視線の先
赤信号にも気づかずに
フラフラと
タクシーの前を横断する
ジャージ姿の男子に
「え」
私は我が目を疑った。
「シッ、シンスケッ!?」
私はタクシーの窓を開け
身を乗り出して
その弱々しい後ろ姿に
声を掛ける!
「トーコ…」
「どうしたのッ、それッ!」
「はは…」
ツルッツルの
坊主アタマになった
シンスケが
私の前で
力なく笑っている…。
月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ
レクイエム#006
≪〜完〜≫
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