「言いませんッ!!!!

絶対にアナタのヒミツは
厳守致しますッッ!!!」


まるでどこぞの
怪しげな金融業者の
謳い文句ッ。


「コトの次第によっては

シンスケに口裏合わせたりも
出来ると思うしッ」


口から出まかせ
出たトコ勝負ッ!


「…本当に?」

「私の目を見れば
わかるでしょッ」


「……」
「……」

「ちいさい…」

「誠実さは
目のおおきさとは
カンケイないからッッ!!」


「…いや。

お前の目のおおきさの話じゃ
なくてさ」

「えッッ」


「こんなコト話して
ちいさいオトコだ、って
思われないかな、ってさ」


…はいッ?


「ぶあッははははッ!」

タクシーの運転席で
ドライバーさんが
突っ伏して笑ってるッッ。


「ちゃんと前見て
運転してくださいッッ」


私は真っ赤に
シンスケは真っ青になって

思わずふたり同時に
ツッコんでいた。


「いやあ、ごめん、ごめん。

ふたりとも
すっごい真面目な顔で
面白い会話
しているモノだからッ」


なんてッ!

この期に及んで
運転手さんは“失礼”を
さらに上塗りしてみせる。


「…もしかして、キミ、さ。

アタマに袋を被せられ
失神して

気がついたら
見知らぬ路上に放り出されて
いたんじゃない?」


「え」