「……」
「……」


「…俺のケータイは
ロックを掛けてあるから

他の被害者みたいに
戻ってくる、とは
考えにくいけど、な」

シンスケが
おおきく息を吐き

「じゃあ、な」

私のマンションから
自分の家へと
チカラなく歩みを進める。


「……」

…シンスケ

ちゃんと学校にくるかなあ。


私はマンションの前

その切ない後ろ姿が
見えなくなるまで見送った。


…シンスケは
落ち込んでいる自分のコトを

ちいさいオトコだ、と
思っているのかも
しれないけれど

「充分過ぎるくらい
ショッキングな出来事だよ」


あんな危険な街だと
わかっていたら…!


「…ああん。もおおおお」


テツオさんの
バカバカバカ〜ッ!!!

私のバカバカバカ〜!!!


後悔しても
ときすでに遅く。


まぶしい朝陽に隠れて

闇夜が
私達を待ち構えている。





月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ

レクイエム#007

≪〜完〜≫


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