「ママには
お見通しなんだから!」
普段はオオボケ
かましてくれるママなのに
妙なトコロで勘が働くのは
何故なのかッ
「何がッ…かなッ?」
私のシャカシャカと
シェイクする音が
一段とおおきくなった。
「…もしかして
トーコとシンスケくんッ」
「……」
「ズバリッ」
「…ごっくんッ」
「迷子になって
いたんでしょう!!!」
「……」
…シャカシャカ、シャカ。
「ねッ
そうなんでしょう!?」
さすが、ミセス・マユミッ。
「そうなのか?」
パパが読んでいた新聞を
横に置いて
「好奇心や気まぐれで
コースを変えて
早朝の知らない道を走るのは
感心しないなあ」
パパが私に
マジもんの苦言を呈すッ。
「もちろん
知っている道だって
ナメてちゃダメだぞ。
同じ場所でも
時間帯が違うだけで
まったく違う顔を
見せるからね」
そんなパパの心配に
もちろん
私はおおきく深く頷いたッ。
「……」
まさに
パパのおっしゃる通りッ。
「いつも仕事をしてる街でも
早朝出勤のときなんか
あまりの雰囲気の違いに
パパなんか、思わず
早歩きしてしまってる
くらいだからなあ」
「……」
事前にパパに
リサーチを掛けていたら…。
またしても
後悔のタネを見つけ
私はそっとため息をつく。