「…ケータイ…?」

どこかで見覚えのある
このデザイン…。


「ちょっと!

そのストラップ

私がシンスケくんに
プレゼントしたヤツ
じゃないッ!!」


「えッッ!?」

ナンノが私から
そのケータイを取り上げ

電源を入れると

「……」
「……」

持ち主を表す
プロフィール欄に

シンスケのアドレスが
表示され…。


「……」

「シンスケくんの
ケータイを

どうして
トーコが持ってるの!?」


…それは
私が訊きたいです。


「昨夜、寝る前に
シンスケくんと
電話したから

そのケータイッ

その後に
トーコの手に渡ってる、って
コトだよね!?」


ナンノちゃんが
私のカラダを
揺さぶってくるけれど。


…暴漢に盗られたハズの
シンスケのケータイが

「どうして
私のコートのポケットに?」


「それが、そのケータイ。

すぐに
戻ってくるっていうから

気味が悪いんですよね」


タクシーの運転手さんの
コトバが

私のアタマの中に
鮮やかに甦ってきて

ゾクリ。


「……」

身震いをした。





月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ

レクイエム#009

≪〜完〜≫


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