「テストなら
次、頑張ればいいわよ〜」
「えッ」
…ママが
何だか凄くご機嫌ッ。
「ふふ♪
セイが貰ってきてくれた薬
本当によく効くわ〜」
ウェストが3センチは
ちいさくなった気がする、と
ママがスッキリした顔で
自分のお腹をひと撫でする。
「…セイって」
ホントにママの便秘の薬
買ってきたんだ…。
「あはッ」
「…トーコ、お前、今
俺がどんな顔して
買ったんだろう、って
想像したな」
「ぎででででででッ!!!」
セイが私のホッペタを
左右に思い切り引っ張った。
「母さん。ちなみにそれ
薬じゃなくて食品だから」
「えッ、そうなの?」
ママが戸棚から
茶色の紙袋を取り出して
中身を取り出して
確認する。
…雑貨屋さんみたいな
オシャレな紙袋。
コンビニで買って
きたんじゃない、ってのは
一目瞭然。
「それには
腸の調子を整えてくれる
善玉菌が
豊富に含まれてるから」
なんて
セイはお店のヒトみたいに
説明しているけれど。
…よく早朝から
空いてる店があったよね。
知り合いの店とか
朝から無理やり
叩き起こしちゃったり
したんだろうか。
「市販薬は
母さんのカラダには
強すぎるから」
「……」
セイが真面目なトーンで
語っていた。