「…そうよね。
薬の副作用で肝臓を悪くして
手術するハメになったのに
喉元すぎれば
熱さ忘れる、とは
まさにこのコトよね!」
次からは出来るだけ
自然派のモノで
何とかしなくっちゃ、と
素直に反省しているママに
「天然のモノでも
カラダに悪いモノは
いっぱいあるし
服用の方法さえ
間違わなければ
薬にだって有用なモノは
たくさんあるよ」
なんて
セイがママに
やさしい笑顔で語ってる。
「毒キノコとかも
天然だものね!」
ママが素っ頓狂な解釈を
披露している、この隙に…!
そっとセイの手を逃れ
私は
自分の部屋へと向かった。
のにッ!
「…何だ。
暗証番号とか言ってるから
てっきりロックが
掛かっているかと思ったら」
「あッッ」
部屋のドアの前
いつの間にか
セイが私のケータイを
奪い取ってるッ!
「テツオさんとお前、何
電話なんかしてるんだ?」
「……」
…ヤバイッ。
「何だ?
この時計の画像は…。
公園?」
「あッ」
テツオさんに送った
証拠写真ッ!
「それッ
何でもないからッ!」
「何でもないとは
どういう意味だ?」
「セイにはカンケイないと
ゆ〜意味だよッ」
セイの手から
ケータイを取り返そうと
私はセイの長い腕に
必死に食らいついた。
「トーコの失態は
俺の恥だ!」
セイのアイアンクロウが
食い下がる私を振り払うッ!
ズルッ!
「わわッ」
私は
おおきく尻餅をつかされた。