「……」
「……」
いつものセイなら
それって、嫉妬?、とか
言いながら
私のヤキモチを
嬉しそうにしそうなモノ
なのに。
「お前なあ…」
そこでどうして
溜息をついちゃうのかな。
「いいか。お前は
今の自分の立場を
わかってるのか」
って
セイが
口を開いたそのとき
セイのケータイが
いつもと違う
コール音を鳴らし出した。
…メール?
セイはケータイの画面を
確認すると
「もういい。
お前は今までの経緯を
レポート用紙にまとめて
後で提出しろ!」
なんて
私の肘を持ち上げて
自分の部屋から
追い出そうとする。
「ちょっと待ってよッ!
レポートなんて
私に書けるワケないでしょ」
バタン!、と
目の前でドアが閉まり
カチャリ、と
鍵が掛けられた。
「…ちょっとおおおおお」
なんでこうなっちゃうワケ?
「レポート用紙なんてッ
レポート用紙なんてッ」
私はドアの前
ひたすら嘆願を繰り返す。
まさか
過去の悲劇が口を開けて
私達を待ち構えているなんて
思いもしなかったから。
月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ
レクイエム#013
≪〜完〜≫
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