「…大丈夫かあ?
トーコ。

あのおばさん
道路に出てきて

ずっと
こっちを見てるけど」


「……」

それを
言わないでくださいッ。


…タドコロさんのコトだ。

車が見えなくなっても

きっとベランダから
車が戻ってくるのを
見張ってるよね。


「…ママに
言いつけたりしないかな」

「お前、家のヒトに
言わずに出て来たのか?」

シンスケが
私を心配していた。


「ちゃんと
言ってきたからッ」

「なら問題ないじゃん」


「……」

見られたのが
シンスケとの
ツーショットなら

問題は、なかったです。


だけど

セイの耳にでも入ったら

それこそ

また何か変なコトに
巻き込まれてるんじゃ
ないか、って

思いっきり
勘ぐられてしまいかねない
このシチュエーション!


悩む私の腰を

「危ないから
ちゃんと座って
シートベルトをして!」

「!!」

ワンオーのおに〜さんが
ボールペンで
突っついてきてッ。


「何するんですかッ」

「えッ、俺!?」

自分の非礼さを指摘され

被害者のような顔をする
おに〜さんのその態度ッ!


「……」

眉間に深々と
シワが寄っていくのが
自分でわかった。