「危ないコトをしておいて

注意されたら
逆切れするなんて

改めた方がいいよ」


なんてッ

この上、私に説教ですか!


「調書を取るから
ココに名前と連絡先を」

当然のように
調書とボールペンを
押しつけられる。


「…何で私までッ」


「この車の中で
見聞きしたモノは
口外しない、って

一筆貰うのは決まりなの」

ごめんなさいね、って
おね〜さんは
言ってますけどッ。


「私ッ
何も見たくも聴きたくも
ありませんからッ

車から降ろしてください!」


「トーコ。そう言わずに」

シンスケが
申し訳なさそうに
私をなだめていて…。


「……」

そりゃあ、ね。


シンスケの立場としたら

守秘義務の書類は
むしろありがたく
感じるんだろうけれど。


「…こんなのに
サインしなくても

シンスケのコト
口外したりしないし」


「…セイにも、か?」

シンスケが
不安げな目をして
私を見つめていた。


…残念ですが

セイはもう全てを
知ってしまっているので

手遅れです。