そんな私の疑いの眼差しに
気づいてはいないのか
「えっと。
それで
どこまで
話して貰ってたっけ?」
ワンオーの
おに〜さんは
自分の取っていた調書に
目を通し直していてッ。
「…私のポケットに
ケータイが入っていた
トコロまでですけど」
「ああ、そうだった。
キミは電車の中で
ポケットにケータイを
入れられていたのに
信じられない鈍感さで
気づかなかった、と」
「……」
おに〜さんが
また腹立たしい言い方で
私を愚弄した。
だけど。
持つべきモノは
友達というモノで
「でも。
電車の中で入れられたとは
限らないんじゃないですか」
なんてッ
シンスケが助け舟ッ!
「まあ。
この子が無意識に
キミのケータイを
自分のポケットに
入れていた、って可能性も
充分に考えられるけどね」
もしもしもしッ!?
おに〜さんッ!?
「それってッ
私がシンスケのケータイを
盗んだみたいに
聞えますけれどッ」
「あくまで
可能性のひとつだよ」
おに〜さんは調書に
可能性をひとつ
新たに書き加えッ。
「結構、多いのよね〜。
便乗犯」
運転席の
ワンオーのおね〜さんが
おに〜さんの見解を
補足した。