…難しい四文字熟語を
使ってきたなッ。
「案外、アッサリと
この事件は
解決しそうだな」
ってッ!!!
さっきからッ
どうして
私が犯人だという前提で
話が進んで
いるのでしょうかッ!
「キミ。凄い汗だよ。
大丈夫かい?」
そりゃあ
こんなバカらしいのッ
嫌な汗だって
出るでしょうともッ!
「ほら」
おに〜さんは苦笑しながら
車の床に転がっていた
薄っぺらいタオルを
私のヒザに投げ渡す。
「……」
…もう何千回も
洗濯機で回されたような
よれよれさッ。
手触りもザラザラしていて
とてもじゃないけど
汗を拭く気にはなれない
代物だッ。
そんなタオルの縁を
「懐かしいな。それ」
シンスケが持ち上げた。
「ほら。そのタオルに
印刷してある銀行名」
「え?」
「他の銀行と合併して
今は違う名前に
なっちゃってるだろ?」
「……」
「この銀行のマスコットの
貯金箱
小学生のときに貰ったヤツ
今も俺の家にあるぞ」
「……」
この状況下
そんなモノを
懐かしく思う余裕なんて
私にあるハズもなく…。