レクイエム#019
「…泣いてる」
私のケータイに掛かってきた
電話に出たシンスケが
ケータイを遠ざけながら
私に訴える。
「えッ?」
「しくしくしく、って
電話の向こうで
オンナのヒトが
すすり泣いている…」
証言するシンスケの顔から
血の気が引いていて。
…ごっくんッ。
「おいおい、シンスケくん。
こんなときに
そんなジョークは
悪趣味だよ」
ワンオーのおに〜さんが
ため息をつきながら
首を振ってみせた。
「いや、マジで!
ヒドイ…、とか
一生恨んでやるとか
言ってて…」
シンスケの顔が
困惑に満ちている。
「そんなワケないだろう」
ワンオーのおに〜さんは
シンスケから
私のケータイを取り上げ
「もしもぉ〜し!」
勇んで電話に出たのは
いいけれど…。
「…マジ?」
その顔は一瞬のうちに
蒼白に変わっていった。
ぞぞぞぞぞおおおおお。
イタズラとゆ〜より
オカルトではないですか!
「何だよ、これッ
どうなってんだ」
動揺を隠せずに
パニックしている
ワンオーのおに〜さんッ。
こういう事態は
すでにお勉強済みでは
なかったのですかッ。