「お前ッ、誰だ!?

何を知ってるッ!
どういうつもりだ!!」

なんてッ

そんな感情的な対応が

マニュアルに
あるんですかッ。


「え?
トーコちゃんを出せ?」


電話に出ていた
ワンオーのおに〜さんの
視線が

私に注がれていてッ。


「…ご指名だ!」

なんてッ

電話を私に丸投げするのは
やめてくださいッ。


「ご指名ってッ
誰からですかッ!?」

「それがわかれば
キミに
電話を渡したりはしない」

「自警団が
そういうコトで
いいんですかッ!?」

「キミに掛かってきた
電話だろうッッ!!!」


「……」

お願いですから

大声で私を威嚇するのは
やめてくださいッ。

「……」

私の手の中の
ケータイ電話。


「…切っちゃおうかなッ」

「何だ?
もしかして
キミの自作自演かッ!?」


ワンオーのおに〜さんの
大声が

古い車内の空気と

私のデリケートなハートを
切り裂いた!


出れば
いいんでしょおおおッ!

出、れ、ばッ!


頼みのシンスケも
私の隣りで
固まってしまっていて。

私は半泣き状態で
電話に出る。