『トーコちゃん。
アナタ。
チャーシューまん
食べたんでしょ?』
車内にテツオさんの声が
響き渡りッ
私は慌てて
オンフックを解除するッ。
【盗み食いでもして
恨まれてるのか?】
…ワンオーのおに〜さんが
冷静な顔でカンペを叩いた。
「誤解ですッ」
「ならいいじゃないか」
おに〜さんが
オンフックのボタンを
また押してッ!
『愛妻家って嫌よね〜。
ふた言めには
妻が、妻が、って
何か余計、ちょっかい
出したくなっちゃう
フレーズよねぇ〜えッ』
…全世界の奥様を
敵に回すような
過激な発言は
お慎みをおおおおおッ。
『トーコちゃんが
その気なら、私ッ』
「ちょっと
待ってくださいッ」
私がオンフックを
ふたたび解除すると
【これから面白いコトに
なりそうなのに
どうして聴かせない!?】
「……」
【後ろめたさがあるのか?】
「……」
【やっぱり犯人は
キミなんじゃないのか】
…ワンオーのおに〜さんが
次から次へと
カンペを出してきてッ
苛立ったッ。