「ねえ、シンスケからも…」
指を組み
俯いていたシンスケの
肩を揺らして
援護を乞い願ったのに。
「……」
シンスケの無言は
雄弁より多くを語るッ。
シンスケの態度は
ワンオーのおに〜さんの
想像力を働かせ
「証拠の隠滅を
工作されちゃ
たまらないからな。
ケータイを全部
チェックするまで
ご家族への電話も
控えて貰おうか」
その先入観と偏見を
確信へと向かわせたッ。
「本当にウチの親が
心配しますってばッ!」
「なら
シンスケくんのケータイを
借りて
電話すれば?」
ワンオーのおに〜さんは
私のケータイを
夢中になって
スクロールしていてッ。
「…俺の
使ってもいいけどさ」
と言いながら
シンスケのその目は
私に対する疑心に
満ちている。
「私ッ!
ホントにシンスケのコト
陥れようなんて
思ったコト
一度だってないしッ」
「そうそう!
悩む彼を見て
陰で楽しんでただけ
だよね」
ってッ!
ワンオーのおに〜さんッ
アナタこそ
私を陥れようと
していませんかッ!