もおおおおおおッ
オトコどもなんて
頼りにならないッ。
ここは同じオンナ同士
力になって貰うべく
「あのッ」
私は運転席の
ワンオーのおね〜さんに
助けを求めようとした。
のに!
「……」
おね〜さんてば
私の呼び掛けを
スルーするッ。
…さっきから存在感なく
おとなしいな、とは
思っていましたが
コトなかれ主義。
アナタも所詮は
このヒトの仲間ですねッ。
こうなったら
赤信号で停車したスキを
ついて
車から降りてやるッ。
私は窓の外を見た。
だけど。
「あれ?」
この車、えらくゆっくり
走っていたんだな。
窓の景色がほとんど
動いていなくって。
調書を取ったり
メールを見たりしてるから
手元を揺らさないように
気をつけて
運転していたのかな。
でも、ありがたい!
この車、古いらしいから
チャイルドロックとか
ついていないよね。
私は窓のキーロックを
そっと横目で確かめる。
「…ごっくんッ」
片手で外したシートベルトを
手の中で隠し
行けそうだ、と
判断したその瞬間!
キュコオッ!
「うわわッ」
車が急停止して
「!!!!」
私のカラダが
ワンオーのおに〜さんに
向かって
おおきく転がったッ!