「コイツ
ワンオーだってさ〜
知ってる〜?」
「気安くカラダに
触るんじゃないよ
オッサン!」
「オッサンッ
向こう行け」
「邪魔すんなッ!」
…あのワンオーの
おに〜さんが
女子高生の集団パワーに
押されているッ。
あの屁理屈おに〜さんが
まともに
言い返せずにいるなんてッ
凄いぞッ。みんなッ!
思わず
私の胸まで熱くなった。
だけど。
ただでさえ
そこは
たくさんの人間で
押し合い圧し合い
している場所。
あれよ、あれよ、と
押し合いが連鎖してッ。
「ヤダあッ」
「押さないでよッ」
ちょっとした
プチパニック!
「…あれ。
止めに入った方が
いいんじゃない
でしょうか?」
運転席の
ワンオーのおね〜さんに
ご注進申し上げるも
「……」
「……」
外の喧騒をよそに
おね〜さんも
シンスケも
ふたりして
自分の世界に浸り込みッ
すでに
夢の住人と化している…。
「……」
…このスキに
逃げちゃおうかなッ。