中途半端な短い演武に
終わってしまって
みんなが
憤懣をぶつけるように
ワンオーのおに〜さんに
罵声を浴びせてる。
「…観客が
自分に集中しないまま
舞台を降ろされるなんて
セイならそんな屈辱
とてもじゃないけど
許すとは
思えないんだけどなあ」
なんかセイらしくない。
と、ゆ〜か。
やっぱり
セイじゃないような…。
ねずみ〜らんどみたいな
パレードと違って
一糸乱れず
他の誰かと息を
合わせ続けなきゃならない
地味な演武。
ソロパートも
見せ場もない舞台が
堪え性のないセイに
まともに
勤まるワケがないよね。
「ほらッ
セイなら
こんな騒ぎくらい
流し目ひとつで
観客を黙らせちゃうと
思うしッ
ましてや
責任者に強引に
ライトを
消されたりして
そのまま黙って
受け入れるようなキャラじゃ
ないからッ」
「…確かに。そうだよな」
シンスケが
私の意見に頷いてッ
「じゃあ、待ってれば
また出てくるよな!?」
「…そ〜ゆ〜意味ではッ」
シンスケが
窓からカラダを
乗り出すようにして
さっきの舞台あたりを
覗き込んでいてッ
その背中から
放たれている
期待の文字ッ。
もう私は
何も言いますまいッ。