「止めないで
シンスケッ！」

「痛たたたたたたたッ」

私の本気の蹴りから
逃れようとした
ワンオーのおに〜さんの
カラダに押され

積み荷の段ボール箱が潰れ
中身が散乱。

後部座席は大パニック！


「俺からもお願いします！

コイツにケータイ
返してやってください！」

シンスケに説得され

「ほらよッ！」

ワンオーのおに〜さんが
私の目の前にケータイを
突き出してくる。


…最初から意地悪せずに
返してくれればいいモノを！

「…もおッ」

私は自分のケータイを
受け取って耳に当てた。


「はあああ…もしもし
テツオさん？」


『よお。勇ましいな
ベビーフェイス！』

「！」

『ワンオー相手に力づくで
ケータイ取り返すなんざ

まったく、お前らしいな』


電話の向こうから
聴こえてくる
この声は…ッッ！！！