もしかして
「…セイ…?」
『ふん!』
…もしかしなくても
セイですね、ハイ。
「トーコ。電話の相手
セイなのか?」
シンスケの熱い視線が
私の横顔に注がれるッ。
『お前の傍で
シンスケさんの声がするのは
俺の空耳か?』
トーンを抑えた
低く静かなセイの声。
どおおおおおおしよおおお。
セイってばMAXに
怒り狂ってるよおおおお。
「あははははッ。
さっきセイが心配して
掛けてきてくれた電話ッ
電波が弱くて
切れちゃってッ」
『走ってる車の中じゃ
さぞかし電波も
途切れやすいだろうな』
「……」
さっきワンオーから
何の話を聴き出していたのか
このオトコッ。
『俺の忠告を無視して
乗り込んだ
ワンオーの車だ。
乗り心地は最高だろ?』
「……」
ここは素直に
謝っておくのが得策かッ。