「悪いな、トーコ」
「私もあんなおに〜さんと
車に残るのは
息が詰まるからねッ」
「…そっか」
後ろからくる車達に
代わる代わるに
ヘッドライトで
照らされながら
夜の街、ふたり無言で
ワゴン車を押し続ける。
「……」
「……」
…セイの機嫌
早く直ってくれないかなあ。
もうホントお手上げだ。
ひと晩反省して、ってコトは
ひと晩経ったら
迎えにきてくれる、って
コトだよね。
「はあああああ」
思わず溜息をついてしまう
私の背後で
パッパッパー!
車のクラクションの音。
「ねえ、キミ達
その車、引っ張って
あげようか?」
「!!」
親切な
通りすがりのドライバーが
車から降りて
私達に近づいてきた。
「あれ?、キミ…」
「あ!」
…これは何の運命の悪戯か。
あのアジアンビューティーが
私を見て笑ってる。
月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ
レクイエム#022
≪〜完〜≫
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