首回りがおおきく開いた
白いカットソー。
長い黒髪をひっつめて
目立つ
うなじの産毛を
しげしげと
見下ろしていたら
「何?」
顔を上げた
アジアンビューティーと
目が合って
「あ、いえッ!
そんな恰好で
寒くないのかな、とッ」
超、アセるッ。
「今日は車で
移動するだけだったから
ジャケット家に
置いてきちゃってね」
「あはッ、なるほど!」
「……」
「……」
その場しのぎの
自分の笑顔が
見事なくらい固定され
次のコトバが出てこないッ。
「……」
「……」
シンスケ〜。
早く戻ってきてよおおおお。
「クスッ。可愛いね」
アジアンビューティーが
立ち上がり
私のアタマを
くしゃり、してッ!!!
「そういうキミだって
薄手のパーカーじゃ
寒いだろうに」
艶っぽい眼差しを
こちらに向けてきた。
「ホッペだって
こんなに冷たくなって」
「……」
髪や頬を
オトコのヒトに
気軽に触らせてしまってる
自分に、驚く。
「…甘いニオイ」