見るからに古びた
未開封のビニール袋に
入っていたソレを見て
「もしもの時の為に
買い置きしてたのに
肝心なときに
その存在を忘れ去られて
しまってきた、って
カンジ?」
アジアンビューティーが
苦笑する。
「こんなの
まだマシな方ッ!
箱の奥から
写真つきの黄ばんだ調書とか
潰れた牛乳パックなんかも
出てきてたり!」
シンスケが
車の中で見たモノと
「装備品ノートには
来年の日付まで
まとめて
チェック済のハンコが
押されてたし。
ホント、大丈夫なのかな
この組織って!」
不安と不信を口にした。
「何を今更ッ!」
だけど。
「…後ろの僕の車
前に移動させるから」
アジアンビューティーは
シンスケの愚痴を
聴かなかったコトみたいに
スルーして
自分の車に戻っていく。
「…陰口とか聴くの
苦手なヒト、なのかな」
そうだよね。
そういう
立派なヒトだから
こういうとき
躊躇なく
手助けを申し出たり
出来るんだよね。