「それにしたって。
メルアドくらいは…」
納得がいかない、と
言わんばかりのシンスケに
「ケータイもパソコンも
持ってないからね。
ついでに言うと
固定電話も家もない」
バードさんの衝撃発言ッ。
「…家が、ない?」
「しいて言えば
この車が僕の城、かな」
「……」
“僕の城”ッ。
車の中をよく観察すると
助手席から
ふかふか毛布が覗いててッ。
後部座席には
鳥の刺繍の入った
中華テイストの
クッション。
…冗談なんかじゃなく
寝泊まりくらいは
本当にしていそうだ。
「この車の
駐車場代や維持費で
マンションくらい
借りれるんじゃ
ないですか?」
この反社会生活者に
向けられている
シンスケのその意見は
ごもっともッ。
都会の駐車場は
べらぼ〜に高いから、って
40過ぎのウチのパパが
ペーパードライバーと
化してしまっている
というのに…!
「販売車と、この車
2台持ってるんですよね?」
なんという贅沢!
どんな経済感覚
してるんだかなッ。