白い紙箱を
後部座席の私達に
差し出してきて

「材料も調理場も
ちゃんとしてるから

安心して食べてくれて
大丈夫だからね」

機嫌よく笑ってる。


「……」

箱の中には
いろんな形の中華菓子。


「ちょうど試食して
意見くれるヒト
探してたんだ」

「食べてもいいんですかッ」

「もちろん」

うわあああああ。
なんてラッキー!!!


鳥の形をした焼き菓子を
摘まもうとした私の手を

シンスケの手が阻んだ。


「睡眠薬とか仕込まれてたら
どうするんだ」

ってッ。

何ですかッ。
そのコワイ発想はッ。


「…聞えてるよ」

運転席のバードさんが
苦笑する。


「シンスケってばッ!」

確かに怪しげなヒトでは
あるけれど

「オトコを簡単に
信用するな!」

親切にしてくれてる相手に
それはあまりに失礼なッ。