なのに
「当然だよ。
シンスケくんの言う通り
通りすがりのオトコなんて
簡単に信じちゃいけないな」
バードさんってば
とっても嬉しそう…。
「左折するから
後ろの車、見てて」
優雅にハンドルを
切っていたりして。
…やっぱり
相当な変わり者かも
しれないな。
「私が眠っちゃっても
シンスケがいるからッ」
私は中華菓子を
口にしながら
後ろの車に目をやった。
「トーコ。お前なあ!」
バードさんに
背中を向けるようにして
「アイツ、絶対に
何かワケありだよ。
ぜってー、何か変だって」
心配性のシンスケが
私に耳打ちする。
そんなシンスケの声が
聞えたのか
聞えなかったのか。
「後ろの車
ウィンカーも相当古いなあ」
バードさんが
ワンオーのワゴン車の
左のライトが点滅を
評価した。
「後ろから
ぶつけられても
エアバックも
作動しないなんて、ね」
「……」
「……」