「…そっか。そうだよね。

あはは、ゴメン、ゴメン」


…バードさんは
笑ってるけど。


淋しそうなその声に

チクン、と
胸が痛んだのは

けっして
バードさんの憂いある
美しい横顔のせいでは
ないと思いたいッ。


「…バードさんって
江戸っ子なんですか?」

「え?」

「ほら!
よく言うじゃないですか。

江戸っ子の特徴で

困ってるヒトがいたら
手を差し伸べずには
いられない、って!」


精一杯、空気を変えようと
努めて明るく振舞ったのに!

「トーコはテレビドラマの
見過ぎなんだよ」

…シンスケが
私のフォローに
水を差したッ。


「残念ながら

僕は“おのぼりさん”
なんだよね」

「おのぼり…?」

「上京してきた、って
コトだよ」

…私の疑問にシンスケが
知ったか、するッ。