「えッ、私ですかッッ!?」

『……』


あきらかに
敵意を持ったその空気感に

「名乗る程のモノじゃ
ありませんッ!

通りすがりに拾われた
しがない高校生でッ」

気がつくと
チカラいっぱい
言い訳している
自分がいてッ。


「今夜限りのカンケイなので
誤解しないでくださいねッ」

ああッ、口が止まらないッ。


「おい、バカ!、トーコ
お前、何、言ってるんだ!」

シンスケが私のカラダを
肩で小突いてくるけどッ

私も、もはや
自分が何を言ってるのか
わかりませんッッ。


「シンスケ、パスッ!」

ケータイをシンスケに
押しつけようとしたら

「自分の尻は
自分で拭けよなッ」

それでも
友達なんでしょうかッ。


「だってッ
電話の向こうのヒト
電話に出たときから
すでに怒ってたしッ」


「その火に油を注いだのは
トーコだろうが!」

「じゃあ、切るからッ」

「俺の画像の手掛かりを
見す見す手放すつもりか!」