このッエラそうな
言い回しッ。


「…もしかして」

『もしかしなくても俺だ!』

やっぱりッ、セイッ!
アナタでしたかッ。


「声色なんか変えてッ!
紛らわしいじゃないッ」

シンスケに背中を向け
小声でセイに訴えると

『だいたい、どうして
お前がこのケータイに
出たりしてるんだよッ!』

…セイに思いっきり
恫喝されたッ。


『…で。
そのケータイの持ち主は
今、お前の傍にいるのか?』

うわあ。

怒ってるッ。


「…いるような
いないようなッ」

『…何だよ、それ』

「確信がないから
今は
そうとしか言えないのッ」

セイの
押さえたトーンの声が
かえって
怖いよおおおおお。


『お前、シンスケさんと
一緒だったんじゃ
ないのか?

ワンオーのヤツらは
どうした?

今、傍にいるのか!?』


「…ワンオーはいないけど」

この状況ッ
何から話せばいいのやらッ。

ううん。

むしろ
今、ここで話しちゃっても
大丈夫なモノなのかッ。

私はチラリ

運転席のバードさんを
盗み見た。