ミラー越しに
バードさんと目が合って
「……」
私は思わず
シートに深く身を潜める。
『そこ
ワンオーの本部だよな?』
「ううん。車の中」
『とっくに
本部に着いてていい
時間だろうが!?』
「…それが、そのッ
ワンオーの車が
壊れちゃって…あはッ」
『……』
セイの絶句する様子が
目に見えるようッ。
さらに
私の言動に不審を感じた
シンスケが
「おい、トーコ。
お前、何、知らない相手と
話し込んでるんだ?」
さらに私に
追い打ちを掛けてきてッ。
「あははははッ」
もう笑うしか
なかったりして。
『今、お前は
どこにいるんだッ!』
セイが電話の向こうで
また怒鳴った。
「親切な通りすがりの車に
拾われたから、大丈夫ッ」
『通りすがりってッ
お前ッ』
あっという間に
電話の向こうのセイが
ご炎上ッ。
「シンスケも一緒だからッ」
なんて事実も
もはや
フォローにもならないのは
わかっていますッ。