おまけに

「何、俺の名前を
出してるんだよ!」

状況を把握していない
シンスケに

肩を掴まれッ
揺さぶられッ。


「もういい!
その電話、俺に替われ!」

「あッ」

テンぱったシンスケに
無理矢理
ケータイを奪われるッ!


「もしもしッ!?
お電話、替わ…」

「?」

「…切れてる」

「え?」

「電話、切れてる」

えええええええええッ。


「もしかして
切られたのッ!?」


「このケータイの
バッテリーが切れたようだ」

「……」


それは

セイに
切られたんじゃない、って
安堵すべき事態なのか。

それとも

こっちが一方的に
電話を終わらせたコトにより
セイをより腹立たせて
しまったであろう事実と

私はしっかりと
向き合うべきなのだろうか。


「…何?
ケータイの電池、切れたの?

充電ケーブル持ってるなら
充電してあげるよ」


赤信号で車を止めた
バードさんが

前を向いたまま
こちらに
手を差し伸べてきた。