今のシンスケのツッコミは
スーパーダイナマイト的に
容赦なくッ。
「そんなッ!
滅相もないッッ」
「……」
「……」
嫌な沈黙に
額から玉のような汗が
こぼれ落ちてきたッ。
「…ひとつ
聴いていいかな?」
バードさんが
バックミラーで
後部座席の私達の様子を
窺いながら
話し掛けてくる。
「どうして突然
キミ達ふたりが
険悪な雰囲気になったのか
わかんないんだけど
キミ達のどちらかが
ワンオーの車に移動するって
選択肢がないのは
どうしてなのかな?」
バードさんの疑問に
うつむいていたシンスケと
目が合った。
「その血痕と
何か関係があるのかな?」
「え」
予想もしなかった
バードさんの思い込みに
「あ、いえッ!
これは妄想興奮による
いつもの鼻血でッ!」
思わず正直に訂正を
加えてしまっていた私に
シンスケの刺すような
視線が飛んでくるッ。
「…ええ、そうですッ!
これは私の興奮鼻血
なんですよッ!」
私の捨て身のフォローに
シンスケは
呆れた、と言わんばかりに
私から顔を背けた。